Aさんの家|浦安
入居後17年目に家族構成の変化と設備の老朽のために専有部を改修する計画です。息子さんが独立し、一人暮らしが始まるにあたり、気分を一新することが大きなテーマでした。
Aさんの暮らしの風景 には、物語のある美しいものによって醸し出された独特の雰囲気があります。時の経過によって味わいが深まった食器や家具、花器、照明などはAさんの趣味で長い間に少しずつ揃えられてきたものです。それらの使い方、置き方が最初に決まり、そこから場所のデザインが始まりました。
この家は、素敵な家庭料理と独特の雰囲気を求めて度々人々が訪れて、ゆっくりとした時間を過ごす特別な場所でもあります。ランチあるいはディナーに一組のグループがAさんの作る四季折々の美味しい家庭料理を美しい器とともに楽しみます。
たくさんの食器を収納し、来客にも料理を提供するキッチンは決して広くはありませんが、Aさんに合わせてオーダーメイドしました。ここから素晴らしい料理が生み出されます。
様々な物語をもつ器を眺めながら思いに耽る時間がなんとも言えない喜びなのだというAさん。その時間のために作った食器棚です。器のサイズや枚数を調べて収納ボリュームを確認しながらデザインします。
日常の中に楽しみを見つけて丁寧に暮らしているAさんの姿勢は私たちにとって大いに刺激になりました。Aさんと打ち合わせを重ねていた時期は、住まい手の暮らし、時間、大切にしているものが引き立つように、上質で奇をてらわない住空間をつくることが私たちの理念として明確になった時間でもありました。
所在地 | 千葉県 浦安市 |
---|---|
建物 | マンション(1992年竣工) |
計画 | リノベーション |
面積 | 99m2 |
設計期間 | 6ヶ月 |
---|---|
工事期間 | 3ヶ月 |
世帯構成 | 1人 |