Mさんの家|芝浦
碑文谷で開催させて頂いた完成見学会にご参加下さったのがお引き渡しのちょうど1年前のことでした。実際のリノベーションされた住まいをご覧になったことでモチベーションに火がつき、後日、私たちの家での相談会にお越しいただいて住まいづくりがスタートしました。
学生時代から芸術やデザインの世界に触れてこられたご夫婦の二人暮らしです。私たちが最初にご訪問させて頂いた住まいには、様々なアート作品や名作家具や照明などが暮らしの中に溶け込んでいて、私たちとしては少し身が引き締まる思いになったことを覚えています。タワーマンションの高層階ならではの素晴らしい眺望も魅力的な住まいでした。
東京湾を望む南面の光を、元々のプランだと暗かった玄関や洗面室まで届くようにすると同時に、動線を整えてシンプルな雰囲気にまとめることを意図して設計を進めました。選ばれた多様な素材はMさんご夫婦が様々な施工事例を参考にしながら積極的にショールームなどにも足を運んでくださり、選んできて頂いたものばかりです。
間取りの特徴は玄関ドアを開けるとすぐに、キッチン、ダイニング、リビングが連続する大きな空間に入ってしまうところです。リビングの先には大きな窓から広い空と海が見えます。プランや形体はとてもシンプルですが、ディテールには色々な遊びやこだわりが詰まっています。天井には不燃材料の化粧ルーバー、壁はシリカライム、床は草木染めのオークのフレンチヘリンボーン、家具や建具はクリア、ブルー、ホワイトなどで染められています。キッチンカウンターはサイルストーン。
リビングから入った窓辺には、ご主人の仕事場と奥様の裁縫作業コーナーが合体した夫婦のアトリエスペースがあります。本棚の書籍の品揃えはさすがでした。ミシンが並んでいる場所は閉じられるようになっています。全てオリジナルで造作しています。
サニタリーは薄いイエローの壁に鮮やかな青いタイルが印象的です。隣のクローゼット、その先にベッドルームへと連続しています。この3つのスペースは関係性が非常に強いので繋ぐことができるといいですね。それぞれ引き戸で閉じられるようにもなっています。
Mさんご夫婦ならではの風景になったなと思います。アートやデザインなどの知識や経験、好奇心がないとなかなか自力でここまでのスタイルは難しいですが、様々なトライアンドエラーの積み重ねだというようなことをおっしゃっていました。私たちももっとチャレンジしなくては…。
所在地 | 東京都港区 |
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建物 | マンション(2007年竣工) |
計画 | リノベーション |
面積 | 78m² |
設計期間 | 4ヶ月 |
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工事期間 | 3ヶ月 |
世帯構成 | 2人 |