マンションのリフォーム・リノベーション、新築戸建はハンズデザイン一級建築士事務所|千葉県 船橋市 東京

ブログ完成見学会

Nさんの家 BLOG見学会

こんにちは。今回は、先日、見学会を開催させていただいたNさんの家のマンションリノベーションをご紹介します。

ランプ

Nさんご夫婦は、熟慮の上で決断したことをどんどん実行していく、そんな印象のお二人です。器とお料理が好きなお二人はどこか遊び心があって前向きに生活を楽しんでいる雰囲気があります。ご相談の中でも私たちが思いもよらないような発想でお話しいただいたことが度々あってとても楽しかったです。

まず、元の間取りです。
築40年、68㎡、3LDKのマンションです。階段室型で南北にバルコニーがあり掃き出しの大きな窓があります。
部屋が細かく分かれていて廊下を介さないと別のスペースに行けず廊下だけ高くなっているため段差があり、生活動線の中に難ありでした。風通しも悪く、断熱もされていなかったので玄関と廊下はとても寒かっただろうと思います。

BEFORE

次に新しい間取りです。
玄関をリビング、ダイニング、キッチンなどのオープンなスペースと一体にして空間のボリュームを拡張しています。南側から北側までを視線、風通し、動線をストレートに通し、住まい全体の連続性を作っています。

New plan玄関を入ると明るく開放的で広々としたスペースが広がります。

玄関から
リビング・ダイニングの天井はアニグレ(シルバーハート)の突き板ベニヤです。
キッチンとダイニングの左官で仕上げた大きな壁を水平に繋げる棚をデザインしました。
左官材はシリカライムです。色とムラ感が良く最近よくご提案しています。
スチールの棚受は今回のためにデザインしました。

棚2 棚4

ガラスセードを名栗加工をした板の上に置いただけのランプ。実は元々の玄関の照明器具のセードだったもので、レトロな雰囲気がありNさんから記念に何かできませんかとのご依頼で作ってみたものです。

左官2-1

キッチンはアイランドの2列型です。定番の名栗加工+大谷石の組み合わせ。
ガラスの食器棚も製作しました。揺れるガラス面がいい雰囲気です。
こう見えてASKOの食洗機、バイオ生ごみ処理機も組み込んだ性能もハイスペックなキッチンです。

キッチン-1 キッチン2

濃いブルーグレーの壁の向こうにトイレと脱衣室があり上部はガラスになっていて天井がつながっています。
玄関ドア横の壁が切り取られたような場所はニッチの小物置き場。

全体-2

北側への通り抜け。こんな風に明るい風景が奥になると透明感があって気持ちがいいです。
抜けた先は書斎で、キッチンから見たときの距離感が面白いなと思っています。
水まわりの配管のためここだけ段差が残りました。

北側への通り

がらっと雰囲気が変わってここがトイレと脱衣室を兼ねたスペースです。
洗濯機と洗面は別の場所にあります。
このタイルパターンの検討は苦戦しましたが、やった甲斐がありました。
キッチンを含め水まわりの床は全てフロアタイル+目地棒です。

トイレ4

洗面スペースは開放的で気持ちがいい動線の中にあります。
この通り抜けスペースを移動するのはとても気分が良くて視界が広がっていく楽しさがあります。
洗面台の隣のプリーツスクリーンの裏側に洗濯機置場が隠れています。

洗面からの通り-1

南側に戻ると明るい視界が開きます。

南面全体

テレビを置く予定の壁はまわりの壁に馴染む色を選んだシリカライムの左官仕上げです。少しテクスチャーをつけて間接照明による陰影でアクセントにしています。まわりの白い壁はホタテ塗装です。

南側全体2 左官

床はシベリアンウォールナットの無垢フローリングです。土間は上海ブルーという青みがかった黒いレンガをヘリンボーンで施工しました。

床の素材 土間2

5本の包丁を使うNさんのために包丁スタンドを作ってみたら、とても良くできたので私たちの分も作ろうと思ってます。
もし探している方がいらしゃったらご相談くださいね。

包丁スタンド

すごく美味しい料理が出てきそうな雰囲気なので、いつかお呼ばれしたいなぁなんて。

Nさんの家

 

Dさんの家 BLOG見学会

こんにちは。今回は今年の夏に完成したDさんの家のマンションリノベーションをご紹介したいと思います。

Dさんの家

Dさんは海に山にと活動的なスポーツマンの男性です。ホームページで私たちを発見してお問い合わせくださいました。
ご相談の時に持参してくださったのが、Dさんが滞在したとある有名なホテルのお部屋の写真でした。
その写真を参考に動線や収納、使い勝手のご要望をお話しくださったことを印象的に覚えています。

まず、元の間取りです。
築27年、3LDK、62㎡のマンションです。角部屋で窓がたくさんあります。ダイニングキッチンが小さい部屋に囲まれているような感じですが、それぞれのスペースに連続性がなく窮屈な印象です。

BEFORE

次に、新しい間取りです。
玄関とトイレと浴室以外にはドアも壁もないワンルームで、パイプスペース(PS)と一体にした大くてオープンな収納棚を中心にぐるっと一回りすると様々なスペースが連続しています。

New Plan

玄関ドアを開けて入るとガラス引戸を通して南側の明るいバルコニーまで気持ちよく視線が広がります。

玄関から

アイランド型のコンパクトキッチンとダイニングスペースは、旅の支度をする作業スペースも兼ねています。
今回はサンワカンパニーのステンレス製のキッチンを使っています。ダイニングテーブルはオープン棚に合わせてデザインしました。

ダイニングキッチン-1 ダイニングキッチン-2 ダイニングキッチン-3

約26畳のワンルームの広がりです。できるだけ視線を遮らないようにしつつ、スペースの性質ごとにまとまりができるように考えています。

全体

ソファに合わせて机をデザインしてリビングの中央に置きました。引き出しのハンドルも特注しています。タスクライトはヤマギワ製。

ソファとデスク ソファとデスク-2 ソファとデスク-3

オープン棚は可動で高さや段数をアレンジできるようにし、できるだけシンプルにデザインして透明感を出しています。

オープン棚 オープン棚-2

ワンルームでもベッドスペースは少し囲まれた雰囲気になっています。

ベッドースペース

浴室は広くなり窓もできました。明るい窓のあるサニタリーはとても快適です。奥行きの深いミラーボックスは埋め込むとスッキリします。

サニタリー

落ち着いた雰囲気のトイレ。間接照明のある場所には実は梁があって、とても目立ったので現場で写真のように変更させていただきました。

トイレ

玄関の壁にはコートや外から持ち込んだものを掛ける場所と傘と小物置き場があります。汚れが目立たないようにレッドシダーの羽目板で仕上げています。奥に見えるのはソフトスエードというアクセントペイントで仕上げた壁です。

玄関 玄関-2

床はアメリカンウラックチェリーの無垢フローリング、壁はホタテ塗装。リビング全体にヒートポンプ式の床暖房も入っています。

床と壁

間接照明の壁をシリカライムという左官仕上げ材でさりげなくパターンをつけてアクセントにしています。

シリカライムの壁

ゆっくりと疲れをとって「さあ次の旅はどこへ行こう」そんな想像が湧く場所になったらいいなと思っています。

次の旅へ

Wさんの家 BLOG見学会

こんにちは。今回は今年の秋に完成したWさんの家のマンションリノベーションを紹介します。

壁掛自転車

Wさんは自転車をカスタマイズしたり、メンテナンスすることが趣味で、当初より広い土間をご希望されていました。また、お仕事でも住まいやリノベーションに関わっていて、様々な事例を参考にイメージをお伝えいただきました。今年二人目の料理をしない男性からのご相談です。

まず、元の間取りです。
築30年、2LDK、60㎡のマンションです。角部屋で窓がたくさんありますが、玄関、廊下、浴室、トイレが暗くて環境が悪いことが間取り図からわかります。また、キッチンとダイニング、廊下と洋室、廊下とトイレのそれぞれの間に20cmぐらいの段差がありました。

kizon

次に新しい間取りです。
元の間取りと比較すると元の間取りが跡形もなくなっていると思います。浴室を窓際に移動させ、キッチンとトイレに裏動線を作り、水周りの動線をうまくまとめることで、広い土間とリビングダイニングベッドルームが伸びやかにつながったワンルームにすることができました。

BEFORE

玄関ドアを開けて中に入ると木製のルーバーが縦に並んでいます。これはWさんのアイディアで、さりげなく視線を遮っています。そこから土間が斜めに広がっていきます。どこかに斜めのラインを入れることもWさんのアイディアでした。

玄関から

土間からリビングを見ると掃き出し窓が並び外光がとても明るいワンルームです。低く抑えた壁によって天井空間に視線が抜けていきゆとりを感じます。

伸びやかなワンルーム

壁側に水まわりが並んでいます。配管のため床に段差がありますが、シンプルにまとめてアクセントにしています。手前のグレーの箱の中にトイレ、キッチンの奥の木目の箱の中に洗面室とバスルームがあります。

TKS_3309

木目の箱は引き戸で開けるとこんな感じです。透明感のあるバスルームからの光が気持ちいいです。

水まわり

裏動線には納戸とトイレの入り口があり、キッチンまでつながっています。

裏道

トイレの上部はガラスになっていて、梁が貫通していたり、ルーバー天井が見えたりして面白い風景です。

トイレ

納戸はプリーツスクリーンで閉じていてその奥の照明をつけると光壁の間接照明になります。

納戸

キッチンは今回もサンワカンパニーのコンパクトキッチンです。グレーやステンレスと木のコントラストが爽やかな印象です。

キッチン

引き戸を開けるとキッチンと洗面室が伸びやかにつながります。ユニットバスはドアと腰壁上をガラスにして、バスルームからも採光を入れています。

開ける

キッチンから見晴らしよく全体を見渡すことができます。テレビが壁掛けされている壁の向こう側がベッドルーム。

低い壁

壁を支えている鴨居。なんとも言えない浮遊感があります。

天井はコンクリート

寝室の収納。何度も収納量チェックをしました。

ベッドルーム

広々とした土間はこの後机や収納家具が置かれてリビングの一部として使います。玄関土間というより、リビングの一部の床の仕上げが違うというイメージです。

自転車を愛する人

木製ルーバーはツガです。奥にライティングレールが設置してあり、照明の位置や台数をアレンジできます。土間には斜めに突き出た大きな出窓があり、日差しが入るとちょうど腰掛けられる縁側のような雰囲気でアクセントになっています。

天井ルーバ

土間は大きな600角のタイルで平滑で掃除がしやすいものを選んでいます。

土間タイル

壁はホタテ塗装。床はオークの無垢フローリング。幅広の一枚ものなのでスッキリした印象。巾木は適材適所で付けたり無くしたり。

床と壁 床と壁

水まわりはフロアタイル。目地棒を入れると奥行きがでます。段差部分はキッチンに合わせてステンレスでスッキリ見切りました。

フロアタイル

引越しの後、ゆっくり考えながら片付けるので少し時間をくださいとおっしゃってくれたWさん。来年はカメラマンさんに撮影してもらえるのを楽しみにしています。と、少しプレッシャーをかけてみたり。

 

 

 

船橋Oさんの家ブログ見学会

昨年末(2016年)完成したOさんの家をご紹介します。
恒例のブログ見学会です!

今までの経緯はこちらをご覧ください。
https://www.hands-a-design.jp/wp21/blog/3821.html
https://www.hands-a-design.jp/wp21/event/3871.html

間取りのおさらいです。

まず、元の間取りを見てみます。小さなスペースがたくさんあってパズルのようです。洗面脱衣室や玄関、廊下が暗く環境が悪いことが間取り図からもわかります。
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次に新しい間取りです。のびやかに繋がったワンルームの中に家具を配置して、場所に応じて柔軟に使うイメージです。

plan2 genkan2

玄関正面はガラスの袖壁とタモのガラス引戸。
透明なガラスは遮るものがなく、光も空間も取り込んでその先まで広がっていきます。

左の強化和紙でつくられた太鼓張り引戸は隣のWICへと続きます。
太鼓張りという張り方は、障子の桟(さん)を両側から包んでしまう方法。
桟に埃がたまる心配がいらず、モダンな印象になります。

玄関素材

WIC側から差し込む光が和紙の美しさを際立たせます。
土間タイルは、細長いタイルでアクセントを入れたデザイン張りで、名古屋モザイクさんのタイルを採用。

鍵とペン置き場このセットがあれば宅配便の方を待たせなくて大丈夫。
ウォールナットの耳付き無垢板のベンチ。
ベンチときどき使うだけにはもったいない。

本棚と押入れがあるシンプルな主寝室。
DSC_0555この障子の先には他人が通る外部廊下です。廊下の幅くらいのスペースですが、窓からの冷気・人の気配を緩和してくれます。
光がほのかにあたるととても美しいです。
夜は障子の先の照明をつけて、光る壁として考えるのも雰囲気が変わっていいですね。

DSC_0556

目立たないようにこっそりとフロアコンセント。

フローリングを使った床コンセント

キッチンの方へ進みます。
奥に見える窓は浴室の明かりとり。ユニッットバスでも室内側に窓が付けられるんです。

浴室の窓

オーダーメイドのキッチンと食器棚。

キッチン

キッチンの素材は、日本産のくるみ。部分的に耐水性に優れた白のメラミン材を使用。

くるみ突板

くるみは木目が優しく、少しブラウン寄りな色合いが、個人的にはとても好きな樹種です。

OさんはIHクッキングヒーターをご希望されました。
日本製の中でデザインが一番シンプルでブラックフェイスがかっこいい!三菱電機製品。
ガラストップの上は操作ボタンによる凹凸もなく、フラットなところが作業台としても使えるので、
キッチンを広く使えます。

IHクッキングヒーター

お馴染みスウェーデン生まれのasko食洗機。対面を食器棚引出しにして、片付ける作業をゼロ動線に。
食洗機はお料理をするときの大切な相棒です。

食洗機

ゴミを減らしたい方・生ゴミの臭いにお困りの方!
シンクで処理した野菜のゴミや食べ残しなどをそのまま排水口に捨てられる『シンクピア』という商品がオススメ。

見た目は普通の排水口ですが。

シンク排水目皿

排水目皿を取ると、こんな感じ。

排水目皿を取る

排水口の真下にこのくらいの大きさの処理機があり、排水に繋がっています。
DSC_0764

この中に住むのは『バイオ』くん。
生ゴミを食べて、『水』と『炭酸ガス』に分解してくれる優れものです。
最初はちょっと信じられなかったのですが、
もともと業務用で使われていたものを家庭用に改良したもの。
以前採用したTさんいわく、『生きものを飼っている感覚がちょっとあります、生ゴミを与えないと死んでしますので』
使用感は好評です。

ディスポーザーはマンション全体の設備になりますが、
シンクピアは1つの住戸で単独につけられるため新規導入がしやすいところがいいです。
ご興味のある方は下記URLへどうぞ。
http://sinkpia-j.co.jp

キッチンの腰壁ディテール。
すっきりとした印象にするために、実はこういうところが一番気を使うんです。
キッチンディテール

キッチン

食器棚は、打合せを重ねるうちにショーケースのような見せる収納になりました。
どこにしまったか一目瞭然。

食器棚

食器棚ガラス取手
ガラスの棚

根菜類をかごに入れて、この上に置きます。

根菜置き場

3つの掃き出し窓があるリビングは明るく、この家で一番気持ちがいい場所です。
間接照明のある壁だけ、土色のシラス壁でアクセントを。

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床材はシベリアンウォールナット。シベリア産のくるみです。

くるみのフローリング
リビングから主寝室まで、全てが見渡せる気持ち良さ。

DSC_0579

DSC_0728
上がオープンで新聞とゴミ箱を入れる扉の中には古新聞入れとゴミ箱が入る予定。
上がオープンなので扉を開けなくても、古新聞とゴミが捨てられます。
ものを床置きにしないで、すっきりシンプルに暮らしたいOさんならではのオーダー家具です。
アイアン取手と木くるみの家具には黒い取手がよく似合います。

テレビの間接照明

広い部屋の中で、いろんな場所にダイニングテーブルを持っていけるように。
脚に車輪付きのダイニングテーブルをオーダーメイドしました。

コロコロ動くダイニングテーブル

片手で軽がるスイスイ動きます。スットパー付きなので、停止使用も可能。

コロコロストッパー付き

Oさんからの大切な要望。
すっきりと掃除が楽な家にしたい。

浮いているトイレ

トイレも床置きだと長い年月の中で埃がたまっていくので、宙に浮いたものを選びました。

トイレ手洗い トイレ自動水栓

トイレの手洗い水栓は手をかざすだけの自動水栓で周りが汚れにくい。
これもOさんの強い希望。徹底的にこだわりました。

普通の巾木

フローリングと壁の間にある『巾木』と言われる部分。
出っ張ると埃だまりになるので、できる限り下の写真にある『入り巾木』(出っ張らない巾木)を使いました。
入巾木

部屋の雰囲気を変えたい時、植物を置くだけで気分も変わります。
大きめのフラワーベースは、枝物をドサッと入れるだけで、一気にオシャレ感が増すアイテムです。
この植物は『アケビ』です。

アケビ フラワーベース

先日、お引渡しして5か月目にご訪問させていただく機会がありました。
驚いたことに、まだアケビがピンピンしていました。
植物もOさんの家が気持ちいいのかもしれませんね。

少し落ち着いた頃に、是非また撮影に伺わせてください!

北綾瀬Fさんの家ブログ見学会

こんにちは。

先日完成見学会を行った北綾瀬Fさんの家の恒例ブログ見学会です!

ここで少しプランのおさらいを。
Fさんの家はもともと3LDK80平米の間取りでご家族4人暮らし。
子供達は高校生と小学校高学年となり、一人部屋が必要な年頃です。
旧3LDK→新3LDKへつくりかえるリノベーション計画です。

Before
旧3LDK

After
新3LDKプラン

同じ3LDKと部屋数は変わりませんが、開放的なキッチンで家事動線を使いやすくし、
広すぎた個室を全体のバランスの中でコンパクトに、玄関を4人家族用に広げ、
家族の収納がたっぷり入るクローゼットルームをあらたにつくりました。

玄関から入った風景。

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見学会で『なぜ勾配天井にしたのですか?』という質問をたくさんの方から受けました。
最初の計画では、実はルーバー天井の玄関になる予定だったのです。

現場がはじまり、もともとルーバー天井を希望していたキッチンで懸念していた障害がなくなり、
採用できることがわかったので、さて、玄関はどうしよう?ということになりました。

現場に立って感じたのは北側の明かりをどうにか玄関に取り入れられないかということです。
広々とした玄関でただただ天井が高いというのも少し味気ない空間になりそうでした。
高い天井からは光が入り、ガラス引戸上部にある大きな梁に向かって天井を低くする勾配天井がいいのではないか。
現場で自由に発想を広げることができたことで、新しいアイディアが生まれました。

想像していた以上に勾配天井の高窓から光が漏れ、とても気持ちの良い玄関空間になりました。
仕上げはツガという材料の羽目板で、濃淡の少ないシンプルな樹種です。
ちょっとラフな楢材(なら)のフローリングとの相性がとてもいい感じです。

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玄関は家の顔でもありますが、コートや帽子など雑多になりやすい場所でもあります。
有孔ボードでフックがつけられる壁をつくり、その横にはたっぷりした奥行きのある収納があるので大きなもの、例えば生協の箱などが入れられます。

玄関収納

すっきりとした印象のタイルは名古屋モザイクさんの600角タイルです。

反対側には靴収納と子供室への入り口があります。

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Fさんの家はもともと壁に沿ってあったユニットバスの向きを変え、壁から離すことで家事動線を生み出しています。
図面だけ見るとユニットバスが部屋の中心にあるレイアウトはちょっと不思議な感じがします。

玄関からリビング側へ進む。

玄関からリビングへ

グレーのアクセントの壁が、ユニットバスを囲っている壁です。
カラーワークスさんの塗料でソフトスウェード仕上げです。
1回目はローラーで塗り、2回目に刷毛で荒らしながら塗ることで、刷毛の模様ができ少し立体感が生まれます。
とてもマットな風合いに仕上がり木の空間にとてもよく合うので、最近よく提案します。

キッチンからユニットバスを眺める。

kitchen2

開閉式の小窓は、採光と通風用です。

キッチンから洗面への動線

キッチンと洗面所がつながり、裏動線ができることで、見えない収納場所がたくさんできました。
食品のストックを置く場所、ダイソンのスティック式掃除機や洗面近くはタオル・下着類を収納する場所。
よく使うものを収納する場所は開けっ放しにできるというメリットは大きいです。

リビングの隣にある主寝室は、寝るだけのスペースと割り切りダブルベッドが置ける最小限のスペースです。

リビングから つながる

使っていない時は、もったいないので小窓を開け広がりを感じられるように。
壁が天井までいっていないのも同じ考えで視覚的な広がりをもたせることと、
夏はリビングの空調で主寝室までまかないます。

rouka

トイレは扉で閉めてしまうと、他の空間とインテリアの印象をガラっと変えたり遊びを入れられる場所です。
Fさんはシックなグレーの壁紙に、鮮やかな赤いモザイクタイルを選びました。
カウンターはウォールナットの耳付き無垢材。便器もグレーを選んでかっこいいトイレ空間になりました。

トイレ

リビングからダイニングキッチンを見る。

キッチンを見る

Fさんの家の天井ルーバーは米ツガという樹種です。
タモよりも少しオレンジっぽい優しい色合いになります。樹種はまわりの雰囲気によって使い分けます。

ダイニングテーブルはikeaの脚にシナ共芯合板を乗せて固定しているだけ。
本来は置くだけの商品ですが、子供がいる場合は危ないので、脚と天板を固定することをオススメします。

オープンキッチンは機能的であると同時にいろんな角度から見て美しいことが求められます。
大谷石をアクセントに、タモの突板に5mmくらいの目地を十字にとったシンプルなデザインとしました。

キッチンデザイン

グレーのデザインタイルなど、周りに主張する要素がある場合には、
デザインの引き算でキッチンはシンプルなほうがいい場合もあります。

DSC_1135-1-1

オープンキッチンには食洗機が必須です。
いつものASKO食洗機が大きな扉におさまっています。
共働きが多い今の時代、食洗機は洗濯機と同じような感覚で家庭の中に導入してもらいたいと思います。

これもお馴染みの洗剤ポケット。

洗剤ポケット

キッチンでいつも苦労するのが、ゴミ箱問題。
生ゴミ、ビン・カン・ペットボトルなど結構場所を取るんです。
使いやすく、見た目美しくどこに置くか。
今回は目立つ場所にあったのでこんな提案になりました。

Fさんの家ゴミ箱

既製品のフレーム(分別ダストワゴンtower)にまわりの家具と同じタモの扉を家具屋さんにつくってもらいました。
スーパーのビニール袋が3つ引っ掛けることができ、下には車輪が付い動きます。

ビン・カン・ペットボトルのゴミ箱

上の写真が、ビン・カン・ペットボトル用。
下は45Lのゴミ袋が使用できる大きさです。

その他のゴミ箱ゴミ箱の上がオープンになっているので、捨てる時はワゴンを動かす必要がなく、ごみを処理するときに前に引き出して使います。

炊飯器を使うときだけ引出して使うトレーです。

DSC_1020

Fさんの洗面スペースはヘリンボーンの少しブルーが入ったタイルがアクセント。平田タイルさんの輸入タイルです。

洗面スペース

最後に子供室と家族のクローゼットへ行ってみましょう。

玄関から入った真正面のドアを開けたところ。

家族クローゼット

家族全員が使うクローゼットです。
各個室には制服やコートなど日常的に使うものが少し置ける程度で、メインの収納は一箇所で考え、
そうすることで洗濯物を各部屋に配る負担を減らしてくれます。

子供室への扉はホタテ塗装の壁に馴染むように、白をベースに木のアクセント取手にしました。
隣の下駄箱が全てタモ材で引き戸も同じ素材にすると木の面積が多すぎるので、白い素材でバランスを調整します。

door hikite

高校生になるお姉ちゃんの部屋。
子供部屋の床材はパイン材でコスト調整、明るい子供部屋になりました。

child room1

小学生の男の子の部屋。
ぞうさんを数えていたら眠れなくなりそうですね(笑)

child room2

Fさんの家は、どこにいてもいろんな方向に視線が抜ける場所があります。
欄間ガラスから見える天井に板張りもちょっとした安らぎを感じさせてくれます。

お引き渡しして1ヶ月ほど経った頃に、Fさん宅を訪れる機会がありました。
快適なのでお休みの日もあまり外出をしなくなったとおっしゃっていました。
自分たちのために自由につくった住まいで過ごす時間は、どこに行っても手に入れることのできない、
心地よく贅沢な時間の過ごし方だと私も日々実感しています。

少し落ち着いたら、また撮影に伺わせてくださいね!