こんにちは。今回は今年の秋に完成したWさんの家のマンションリノベーションを紹介します。
Wさんは自転車をカスタマイズしたり、メンテナンスすることが趣味で、当初より広い土間をご希望されていました。また、お仕事でも住まいやリノベーションに関わっていて、様々な事例を参考にイメージをお伝えいただきました。今年二人目の料理をしない男性からのご相談です。
まず、元の間取りです。
築30年、2LDK、60㎡のマンションです。角部屋で窓がたくさんありますが、玄関、廊下、浴室、トイレが暗くて環境が悪いことが間取り図からわかります。また、キッチンとダイニング、廊下と洋室、廊下とトイレのそれぞれの間に20cmぐらいの段差がありました。
次に新しい間取りです。
元の間取りと比較すると元の間取りが跡形もなくなっていると思います。浴室を窓際に移動させ、キッチンとトイレに裏動線を作り、水周りの動線をうまくまとめることで、広い土間とリビングダイニングベッドルームが伸びやかにつながったワンルームにすることができました。
玄関ドアを開けて中に入ると木製のルーバーが縦に並んでいます。これはWさんのアイディアで、さりげなく視線を遮っています。そこから土間が斜めに広がっていきます。どこかに斜めのラインを入れることもWさんのアイディアでした。
土間からリビングを見ると掃き出し窓が並び外光がとても明るいワンルームです。低く抑えた壁によって天井空間に視線が抜けていきゆとりを感じます。
壁側に水まわりが並んでいます。配管のため床に段差がありますが、シンプルにまとめてアクセントにしています。手前のグレーの箱の中にトイレ、キッチンの奥の木目の箱の中に洗面室とバスルームがあります。
木目の箱は引き戸で開けるとこんな感じです。透明感のあるバスルームからの光が気持ちいいです。
裏動線には納戸とトイレの入り口があり、キッチンまでつながっています。
トイレの上部はガラスになっていて、梁が貫通していたり、ルーバー天井が見えたりして面白い風景です。
納戸はプリーツスクリーンで閉じていてその奥の照明をつけると光壁の間接照明になります。
キッチンは今回もサンワカンパニーのコンパクトキッチンです。グレーやステンレスと木のコントラストが爽やかな印象です。
引き戸を開けるとキッチンと洗面室が伸びやかにつながります。ユニットバスはドアと腰壁上をガラスにして、バスルームからも採光を入れています。
キッチンから見晴らしよく全体を見渡すことができます。テレビが壁掛けされている壁の向こう側がベッドルーム。
壁を支えている鴨居。なんとも言えない浮遊感があります。
寝室の収納。何度も収納量チェックをしました。
広々とした土間はこの後机や収納家具が置かれてリビングの一部として使います。玄関土間というより、リビングの一部の床の仕上げが違うというイメージです。
木製ルーバーはツガです。奥にライティングレールが設置してあり、照明の位置や台数をアレンジできます。土間には斜めに突き出た大きな出窓があり、日差しが入るとちょうど腰掛けられる縁側のような雰囲気でアクセントになっています。
土間は大きな600角のタイルで平滑で掃除がしやすいものを選んでいます。
壁はホタテ塗装。床はオークの無垢フローリング。幅広の一枚ものなのでスッキリした印象。巾木は適材適所で付けたり無くしたり。
水まわりはフロアタイル。目地棒を入れると奥行きがでます。段差部分はキッチンに合わせてステンレスでスッキリ見切りました。
引越しの後、ゆっくり考えながら片付けるので少し時間をくださいとおっしゃってくれたWさん。来年はカメラマンさんに撮影してもらえるのを楽しみにしています。と、少しプレッシャーをかけてみたり。