こんにちは。今回ご紹介するのは足立区鹿浜のマンションリノベーションです。
2018年12月に完成し見学会を開催させていただきましたが、そのブログ版の開催です!
半年なんてあっという間に経ってしまうものですね。
お住いは公園に面した築15年目、85平米のマンションです。
インテリアの大好きな奥様が長い間暖めてきた様々なアイディアと想いに彩られた優しい木の家になりました。
大きな間取り変更はありませんでしたが、ひとつひとつの場所が丁寧に考えられていて、素材のセレクトも多様でユニークなので歩き回っているだけで楽しい気分になります。
玄関を入ると正面にやわらかな風合いのライムストーンの壁、その先に欄間ガラスから太陽の光が届く明るい廊下が伸びます。フローリングはメープルの無垢、寝室の引戸は樺の板目の突き板仕上げ、壁はホタテ塗装、収納の開き戸は壁に色合わせしたポリ化粧板にアクセントでアルダーの引き手を付けています。廊下はドアばかりになりがちなので、スッキリ見せるために収納のドアの存在感を壁と同色にして和らげています。
玄関収納もカバ桜板目突き板、土間は素焼き風のタイルです。
廊下を振り返った突き当たりには、暗い廊下に向けた小さな窓がありましたが、障子を入れて間接照明にしてみました。壁もさりげなく曲線にしています。
曲線の壁に付けた窓台です。軽く優しく見えるように加工しています。こういう小さな部分の遊びに力を注ぐのが私たちの楽しみです。
LDKはL型のバルコニーに囲まれ、4つの大きな掃き出し窓からは公園と空の眺望、明るい陽の光がありとても明るいです。正方形に近い形でゆったりとしたボリューム感のある空間になっています。
少し変化をつける意味で天井の半分程度の範囲を栂の羽目板張りにしています。全体的に華やかで優しい木の色合いでまとまられました。見学会のタイミングでは間に合っていませんでしたが、木製の2重サッシ、木製のエアコンカバーもとりつけました。
照明はベースをダウンライトに、ペンダント、間接照明、壁付ブラケットなど素敵な照明器具でどこをみても目が楽しくなります。
ルイスポールセンの照明器具が4台も!PH 3½-3とPH5とPH2/1とPH Hatです。本当にお好きなんですよね。
照明の回路が多いので、ライティングコントローラーでLDK全体を一体的に調節できるようにしました。
リビングには来客時などに一時的に閉じたスペースが作れるようにカーテンレールが埋め込んであります。
壁の高さを揃え、水平方向の広がりのアクセントに飾り棚を付るデザインは私たちの常套手段となりつつあります。
収納扉の引き手のディテール。このひと手間で白い扉の質感がグッと上がる…と思ってます。
キッチンのすぐ隣にダイニングと軽いデスクワークのできるコーナーがあります。キッチンもカウンター収納も樺の突き板仕上げで造作しています。窓から公園の樹木が見えますね。この後、下から上がるタイプのスクリーンを設置しました。テーブルとペンダントライトも設計段階から検討してレイアウトを決定しています。
テーブルはエクステンションするとCH006、椅子はYチェアでお馴染みのCH24、いずれもカールハンセン&サン。
カウンター収納はテーブルと同じ高さなので広さを感じますね。上部の収納は食器を収納するガラス引き戸部分と書類を収納する跳ね上げ式の扉部分になっています。
白いパネルをポンと押すとこんな感じで開きます。
上部収納の裏には間接照明が仕込んであるので、光の当たる部分の壁に左官のシラス壁を使って陰影を出しています。
ワークコーナーの隣はお仕事用のファイルが入る引き出しとプリンター複合機がせり出してくるようになっています。
キッチンは壁付きの2列型で奥に冷蔵庫と家電、パントリーがリビングから隠れた位置になるようにレイアウトしました。
パントリーの炊飯器置き場と食材ストック用の引出し。その上に電気オーブンレンジを置きます。
シンクの形が少しユニークで浅くて広い部分があり、プレートがスライドできるようになっています。こんなオーダーもありなんですよね。想像以上に自由だなと感心しました。
美しいフォルムの水栓はちゃんとシャワーホースが伸びるようになっています。カウンターの素材はステンレスのバイブレーション仕上げです。壁は玄関のものより表情のある違う種類のライムストーン。悠久の時間の流れが詰まっているような不思議な雰囲気の石でついつい撫でたくなります。
シンク下のゴミ箱スペース。
コンロ側は奥様のご希望で無垢の木のカウンターに。油の飛びそうな範囲だけステンレスにしています。
4mm無垢のステンレスをフラットになるように埋め込んでスッキリ自然に見えるようにしています。
引き出しのハンドルは美しい樺の木目の邪魔にならない小さくてさりげないものをセレクトしました。
木目がつながっているのがお分かりいただけるでしょうか?きれいですよね。
今回はコンパクトなリンナイの食洗機になりました。フラップダウンの扉なので出し入れが楽です。
キッチン正面は無垢のアルダー材をノコギリ型に加工したものと大谷石の中目です。木目に立体感が出ていい雰囲気です。
寝室は少し雰囲気を変えて淡い薄紅色の漆喰仕上げの壁、フローリングはスカンジナビアンリビングのプランク/アッシュ/ホワイトオイルが選ばれました。出窓の腰壁に使っているのはヒノキです。この後で木製の内窓が付いて、黒いサッシも目立たなくなりました。
漆喰の手仕事感と柔らかい陰影がいいですね。
北欧のフローリングは繊細ですごいクオリティでした。
洗面室はナラ材の名栗加工のフローリング。浴室の出入り口部分はサーモタイルにしています。壁は少しくすんだ漆喰の左官、天井は青森ヒバの羽目板張りです。壁に埋め込んだ鏡収納もデザインしました。カウンターはサイルストーンのブランコメープルにオーバルのアンダーカウンターボウルです。洗濯乾燥機はミーレのものです。海外製の洗濯機、良いですよね。ビルトインの方が絶対良いと思うので、日本でも作ってくれると良いのですが。タオルウォーマーも素敵です。
名栗加工でナラ材の木目が揺れているような面白い表情。
洗面の背面側はたっぷりの収納と作業カウンターがあります。
最近になってユニットバスのクオリティが良くなったように思います。照明やデザイン、居心地のことに気配りが感じられる商品が出てきたことがうれしいです。
広々明るいトイレです。便器はハンスグローエ、自動水栓はTOTO、手洗い器はリラインスのものです。壁は漆喰左官。今回の漆喰は寝室、洗面含めスイス漆喰のカルクウォールです。タイルが良い表情です。床は東リのフロアタイル。
水栓取付部分は目立たないようカラーガラスでさりげない感じにしました。
トイレの場合、できれば自動水栓が便利ですね。
フロアタイルは目地を入れて使うと良い感じです。
今回のブログ見学会は以上になります。楽しんでいただけましたか?
先日Sさんからお食事会にご招待いただいて素晴らしい時間を過ごさせていただきました。北欧の家具やテキスタイルでまとめられたインテリアは溜め息が出るほど美しく楽しかったです。遠くないタイミングで「みんなの家」でご紹介できると思います。お楽しみに!