こんにちは。
仕事柄(?)マンションポストのタイプに一家言ある男、星名岳志です。
マンションには集合ポストがあり、部屋番号と住人の名前が整然と並んでいます。その集合ポストを何度か見ていると経験的に気がつくことがあります。
今回はちょっと「なるほどね、そうかもね。」な社会科のお話です。
私たちハンズが船橋に住み、働くことを決めた理由のひとつは、妻の実家が近いから…です。
妻の実家が近いとナゼ良いのか???
お互いのコミュニケーション機会が増えること、
土地・建物のスケールメリットが生かせること、
人間関係のコネクションを拡げられること、
作業など助け合えること、
シェアできること…など、
非常に大きな利点が多々ありますね。これらは家族や仲間が集まって暮らすことの利点です。
さて、集合ポストを思い浮かべてみましょう。200個のポストが整然と並んでいます。そしてそこに、同じ名前の表札の付いたポストが3つ、4つと目に入ってきます。例えば私の名字の「ホシナ」のような希少性のある名前だとすぐに気がつきます。103号室にも312号室にも810号室にも「ホシナ」と書かれているとしたら…。
さて、これはどういうことでしょうか?
むかしむかし、あるところの農家は息子家族の家を実家の隣の畑に新築して住まわせたり、茶室や客室を離れに造ったりしていました。そうやってできた村がたくさんあり、コミュニティや自治が築かれていました。
同じように、マンションの中にも村は築かれるのです。実際には村レベルのコミュニティは今のところないかもしれませんが、想像してみてください。
雨に濡れることもなくエレベーターに数分乗るだけで孫に会いにいき、時には夕食を共にし、看病をし、子育てを手伝う。
離れに数寄屋造りの茶室付き客室を持ち、道路に面した1階には趣味の店を構え、息子家族と乗用車をシェアする。
同じ屋根の下に住むほど気遣いを必要とせず、かといって疎遠になるほどの距離でもなく、適度に近くて遠い距離感で集まって暮らす。
増築して散財するのではなく買い足して投資し、必要に応じて売却して対価を得る。
私が集合ポストを眺めていて気がついたように、マンションの中で二世帯住宅、三世帯住宅というシーンは現実に、すでに多く存在しています。親世帯が若い頃にマンションで暮らし始め、マンションで生まれ育ったその子世代が既に家族を持ち、実家がマンションというケースが増えているのです。デベロッパーや不動産屋さんが宣伝しなくても、便利だし自然な流れでそうなった…というところですよね、きっと。だからこそ説得力あるな…と感じました。
今。
シェアする時代が始まり、集まって住むことのメリットとなるアイディアがメディアに増えてきました。様々な人が集まりつながるシーンが多くの専門家によってイメージされています。
人と人が知り合うことにより人間性、家族のカタチの多様性に気づいた人々から新しい暮らしの価値観が生まれ、それを満たす新しい住空間の提案が必要になってきているのではないかなと私も感じています。
まあ、元気な若者たちは家族や社会の垣根を越えてつながっていこうとしますが、気の小さい私などは、まず家族から、その知り合いから、そしてまたその知り合いへと拡げて…そんな大層なことはできませんので。
雑考失礼しました。