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開放的な洗面所

おはようございます。星名岳志です。

今回は、私たちの家の中で僕が「悪くはない」と思っている「洗面所」のお話をしようかと思います。

私たち自身の住まいであるマンションのリノベーション計画が始まったとき、どんな場所でも必要なだけしかスペースを閉じないように注意して計画しました。洗面所も例外ではありません。

そのためには洗面所をオープンにする必要がありました。そのときに問題になるのは公開される洗面所の風景です。

このようなことを書いてしまうと仕事柄問題がありますが、正直なところ、僕は友人宅やお客様のお宅の洗面所に入るのがあまり好きではありません。洗面所の役割柄しかたのないところですが、濃密な生活感が居座っていて近寄りがたい感じがします。その原因は洗面所にある厄介な物たちです。

毎日ルーティンで使う小さくて不揃いなものとそのストック、意味の分からない形の洗濯機、下着、脱いだ服、濡れたタオル、化粧品、アクセサリー、充電式の歯ブラシやひげ剃り、生理衛生にかかわるものなど。家族のものなら平気でも、他人のものだとちょっと気が引けますよね。

そんな厄介な物が満載の洗面所をそのまま開放的にしてしまったら不快に決まっています。だからといって、洗面所を閉鎖的にしたら毎日のルーティンを不快な場所で繰り返すことになります。
私たちの家では、開放的にすることが、結果的に快適さを保つことにつながりました。

さて、快適さを保つために私たちがやったことをはとても簡単です。

1. 他人が見たくないもの、生活感のある物を隠す。

歯ブラシ、塗り薬、ひげ剃り、化粧品、コンタクトレンズ、などなど限りなく個人的で、かつ、毎日使うことが決まっている物たち。好みの違いで、歯磨き粉が数種類あったりもします。洗面所の鏡裏の収納で、家族ひとり一人のスペースを決め、ロッカーのように混ざらないようにすると使いやすいです。十分なスペースを用意して、家族個々人がその中で納めることをルールにしましょう。

忘れてしまうのが、電源です。電動歯ブラシ、ひげ剃り、美容機器など、充電が必要な物が結構あります。それぞれのスペースに電源を用意すると収納しながら充電できます。

2. 洗濯機と物干パイプを隠せる場所に置く。

日本製の洗濯機は年々性能は良くなっていますが、デザインは一向に良くならないようです。
過剰な丸みや曲線があるため洗面所空間になじまないのに、年々巨大化し存在感を大きくしています。

私たちの家では不織布のプリーツスクリーンで閉じられるようにしています。
スクリーンのメリットは100%開けることができ全く邪魔にならないことです。
また、和紙のような素材であることや、途中で止めることもできるので、湿気がこもる心配がありません。

洗面所は濡れている物がある場所なので、物干パイプを付けておくといろいろと活用ができます。
洗濯物を干す動作の中でも便利に使うことができます。
ただ、不揃いな物が吊るされている風景は美しくないので隠せるようにすると良いと思います。

3. 過剰なぐらいゆとりのスペースを残す。

私たちの家の洗面所は、タテヨコ190cm x 160cmですので一般的な広さです。そこにある洗面器が幅80cm、無垢のカウンターが幅150cmあります。カウンターの下にはキャスター付きのワゴンが一台あるだけです。
つまり、カウンターにも床にもフリーなゆとりスペースがあることになります。このゆとりスペースが圧倒的な快適さと使い勝手の良さを生み出します。

4. ドアではなくカーテンやスクリーンを使う。

カーテンやスクリーンのメリットはたたむとコンパクトになることです。狭い場所では引き戸も有効ですが、たたんでも50%にしかなりません。カーテンは10%以下になりスペース利用としては効率がいいですね。模様替えのしやすさやコストパフォーマンスもメリットにあげられると思います。また、風が抜け、湿気がこもりません。

ただし、使うときには注意が必要かな…と思っています。
重要なのは大胆に使うことです。中途半端にすると非常に残念な風景になります。
天井から床、壁から壁まできっちり採寸して、大きくぴったりにあつらえると大変良いと思います。

来客が来たときになんとなく恥ずかしい思いをしてしまう洗面所。
そんな場所を、みんなが快適で開放的な洗面所にするには家族の協力が不可欠で、建築や収納の工夫だけでは困難です。住まいをつくる前に、家族のライフスタイルの見直しと無駄な物の処分は必ずした方がいいと思いますよ。

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