11年経った我が家に少し手を入れることになりました。
クローゼット内に造作家具を増やしたり、洗面回りの収納家具を充実させたり。
頭の中にあった計画をようやく実現することになりました。
私たちの家は細かい収納計画は暮らしながら考えようという感じであとまわしになっていて
持ち物の量や使い方がようやく確立されてきたので、それに合わせて収納をしっかりつくることにしたのです。
一年前に買い替えた洗濯機と隣にある自作家具の高さがチグハグになってしまったり、奥行き60cmの家具に奥行き30cmのカゴ収納を置いているため奥まで使い切ることができずもったいなかったり、オープンすぎてホコリだまりになるなどあまり清潔に保てないという不満がありました。
クローゼット側はハンガー下の棚収納を無印良品で揃えたものの、奥まで使えない苛立ちやカバンを置く場所がなく、いろいろ使いにくいところがたくさんありました。
最初は図面上でもののアドレスを決め、収納したい形状で大きさ高さを計測し、引き出しの大きさや高さを一つずつ確認しながら計画します。
お施主さんとの打合せで私たちが最初に行っている収納計画も、このように進めることが多いです。ものが収まらないとスッキリ暮らすことは難しくなってしまうので、限られたスペースを最大限有効活用できるように収納計画はとても大切に考えます。
煩雑だったクローゼットがスッキリと整いました。
完成した収納にはどこに何を入れるか決まっているので、思ったとおりに収納することができて、使っていても気持ちがいいものです。
洗面下の収納はプラケースに下着などを入れて、そのほかはオープンに使い脱衣カゴと除湿機を置いていました。
洗面器の横に少し広いスペースがありお化粧やドライヤーをかけているので、本当は収納もそれに付随するものの方が便利なんですよね。
何かと便利なオープンスペースはそのまま残し、引き出し収納を3段だけつくることにしました。
上からヘアドライヤーとヘアアイロンのスペース。
引き出しの奥にコンセントを2口つくり、引き出しの上部をスリットに開けて、コンセントを差したまま使えて収納できるように考えました。
下の2段は洗面回りの化粧品や歯ブラシ、コンタクト用品などの細かいストックを入れる収納です。
細かいストック収納も今までは洗面以外のところに散乱して置かれていたので、1箇所にまとまり気持ちもスッキリしました。洗面で使うものは洗面の近くには鉄則ですね!ストックも残量がよく見えるので、補充漏れなども防げます。
自分の家なので、高さ方向もギリギリを攻めてみました 笑
収納スペースは特に増やしていませんが、全て引き出しにして奥行き方向をしっかり使えるように計画したので
いままでの1.5倍ぐらい収納が増えた印象です。今更ながらきちんと計画するって大事ですね!
今回の家具デザインでは2種類の取手デザインにチャレンジしています。
素材は真鍮と木を組み合わせたデザインです。
出っ張らないバージョン。
出っ張るバージョン。
毎日見て楽しくなる触れて嬉しくなる、そんなデザインを目指しました。
新しいデザインをはじめるとき、だいたい我が家が実験台になります。
アイディアを図面に起こし、3Dパースで検討し、家具屋さんに制作を依頼します。
入念に考えたつもりでも実物を見るまではドキドキでしたが今回はとてもうまくいったと思います!
でもまだ完璧ではないので、ここから少しブラッシュアップさせて皆さんにはご提案していきます。
今まで使っていたプラスチックの引き出しは残念ですが廃棄処分となりました。
プラスチックは11年という年月の中で黄色く変色し変形も起こりガタガタになってしまったからです。
木をベースにつくられたこの家具達はきっと長い時間私たちと一緒に暮らせると思います。
しっかりした金物を選び、経年変化を楽しめる素材やディテールを考えつくっているからです。
私たちのものづくりは一つひとつ丁寧に考えていくので時間はかかりますが、
長い年月暮らす家に10年でダメになってしまうものは私自身欲しくはありません。
いまの時代だからということではなく、いつの時代でもそういうものを選んでいかないといけないと思うのです。
私たちもそういうものづくりをしていきたいし、そういうものに囲まれて暮らしたいと思っています。