Kさんご家族は私たちの家に見学に来てくださったときが始まりでした。とても元気のいい男の子と女の子とご夫婦、猫のコウちゃんの4人+1匹のご家族です。お住まいは西船橋駅から徒歩圏内の築8年のマンションで、とてもきれいに使われていました。猫のコウちゃんが若い頃に壁紙につけた傷と和室の畳の傷みぐらいでした。
リノベーション前の写真↓
Kさんのご相談はこの年から小学校にあがった息子さんの部屋が欲しいとのことでした。私たちと出会う前にリフォーム会社からそのような提案を受けていらっしゃいましたが、最終的に子ども部屋を新たにつくることにはなりませんでした。
Kさんのお住まいはまだきれいで広さも十分にあり、抜本的なリノベーションをする必要はありません。子供部屋になりそうな個室も2室あります。しかし、それとは違う理由でリノベーションが必要でした。そこで、現在どんな生活をしているのかをみんなで再確認し、どこに問題点があるのか、今後、5年後、どんな暮らし方をしたいかを話し合いました。
そんな話し合いの中からイメージしご提案させていただいたのが、和室と洋室の間の収納スペースをオープンな通り抜けのワークスペースにリノベーションする計画です。
「子ども基地」
小学生になり学校生活が始まるとランドセル、教科書、工作道具、楽器、衣装などなど、物が増えます。Kさんご夫婦がお子さんのために必要だと考えていたのは子どものプライバシーではなく、自分で整理整頓する、学校や塾の宿題をする、静かに本を読む、そんな子どもの成長のために必要な場所でした。子どもだけの場所をあてがうのではなく、家族の場所の隣に自分で管理する場所をつくることになりました。ワークスペースは当面の間、子どものための基地になります。
「通り抜ける、ぐるぐる廻る」
開け放しにできる引戸から隣の洋室に通り抜けることができます。これで生活動線に新しい選択肢が生まれました。この引戸によりワークスペースは、家族の場所の隣にあるだけでなく、洋室の隣の予備スペースにもなっています。将来、どちらに強く属するかは住まい方次第ですが、例えば主寝室の隣にある書斎にもなります。
「フレキシブルな収納」
壁に棚柱を埋め込み全て可動の棚にしています。棚柱のブラケットは、木製やガラスの棚板、ハンガーパイプなどを容易に組み合わせることができます。敢えてラフな針葉樹構造用合板を使い「使いながらつくりかえる」イメージを強くしました。針葉樹構造用合板はラフでリーズナブルな材料ですが、積層された断面のストライプラインがいいですね。
「場所から場所に」
リノベーションの後にKさんの家にご訪問させていただいて印象的だったのが、ご家族の居場所の動き方です。キッチン、ダイニング、リビング、ワークスペース、寝室と場所から場所へ自由に一体的に移動し使っていることでした。廊下を経由していた以前の間取りでは考えられないのびやかさです。
「本物の素材」
中霧島シラス左官 http://www.takachiho-shirasu.co.jp/
玉紙 http://www.tamagami.jp/tama%20top/page.html
空気が変わりました…といっても伝わらないのが残念です。
「アクセントにセルフビルド」
Kさんに選んでいただいた輸入Wall Paper
Kさんのゴールデンウィークのセルフビルド その1
マグネットペイント http://www.nsmrp.com/
チョークボードペイント http://www.greenelephantco.com/
Kさんのゴールデンウィークのセルフビルド その2
名古屋モザイク シエルグラス+リコモザイク
http://www.nagoya-mosaic.co.jp/index.html
ここがムズカシイ。
Kさんのゴールデンウィークのセルフビルド その3
プラネット ハードクリアオイル http://www.planetjapan.co.jp/natural/planetcolor/clear.html
「少しずつ、またいつか」
無垢フローリングの心地よさを実感されたKさん。「リビングはいつやろうかな~」とおっしゃっていました。
最初に将来に向けてのリノベーション計画も話し合ったのでタイミングを合わせながら行っていければと思います。
末長いおつきあいをよろしくお願いします。