こんにちは。今回は今年の夏に完成したDさんの家のマンションリノベーションをご紹介したいと思います。
Dさんは海に山にと活動的なスポーツマンの男性です。ホームページで私たちを発見してお問い合わせくださいました。
ご相談の時に持参してくださったのが、Dさんが滞在したとある有名なホテルのお部屋の写真でした。
その写真を参考に動線や収納、使い勝手のご要望をお話しくださったことを印象的に覚えています。
まず、元の間取りです。
築27年、3LDK、62㎡のマンションです。角部屋で窓がたくさんあります。ダイニングキッチンが小さい部屋に囲まれているような感じですが、それぞれのスペースに連続性がなく窮屈な印象です。
次に、新しい間取りです。
玄関とトイレと浴室以外にはドアも壁もないワンルームで、パイプスペース(PS)と一体にした大くてオープンな収納棚を中心にぐるっと一回りすると様々なスペースが連続しています。
玄関ドアを開けて入るとガラス引戸を通して南側の明るいバルコニーまで気持ちよく視線が広がります。
アイランド型のコンパクトキッチンとダイニングスペースは、旅の支度をする作業スペースも兼ねています。
今回はサンワカンパニーのステンレス製のキッチンを使っています。ダイニングテーブルはオープン棚に合わせてデザインしました。
約26畳のワンルームの広がりです。できるだけ視線を遮らないようにしつつ、スペースの性質ごとにまとまりができるように考えています。
ソファに合わせて机をデザインしてリビングの中央に置きました。引き出しのハンドルも特注しています。タスクライトはヤマギワ製。
オープン棚は可動で高さや段数をアレンジできるようにし、できるだけシンプルにデザインして透明感を出しています。
ワンルームでもベッドスペースは少し囲まれた雰囲気になっています。
浴室は広くなり窓もできました。明るい窓のあるサニタリーはとても快適です。奥行きの深いミラーボックスは埋め込むとスッキリします。
落ち着いた雰囲気のトイレ。間接照明のある場所には実は梁があって、とても目立ったので現場で写真のように変更させていただきました。
玄関の壁にはコートや外から持ち込んだものを掛ける場所と傘と小物置き場があります。汚れが目立たないようにレッドシダーの羽目板で仕上げています。奥に見えるのはソフトスエードというアクセントペイントで仕上げた壁です。
床はアメリカンウラックチェリーの無垢フローリング、壁はホタテ塗装。リビング全体にヒートポンプ式の床暖房も入っています。
間接照明の壁をシリカライムという左官仕上げ材でさりげなくパターンをつけてアクセントにしています。
ゆっくりと疲れをとって「さあ次の旅はどこへ行こう」そんな想像が湧く場所になったらいいなと思っています。