マンションリノベーションではまず解体。
その次に、すかさず「墨出」という僕がもっとも重視している大好きな作業があります。
スケルトンになった床の上に線を引いていき、これまでお施主さんと一緒に練りに練った住まいの思惑を現場に写し出す作業です。
ものづくりではやってみないとわからない…ということがあるものです。既存の空間を壊して作り直すリフォーム・リノベーションではそれが当たり前です。
壊してみないとわからないことが多いので、元の間取りからまったく違う空間へと変化させるときには様々なことが起こります。
さらに、建築は机上ではミリ単位で設計しますが、実際の現場はセンチ単位でずれています。
「墨出」のときには精神集中して、床の上に描かれていく線から空間を創造して、思惑とずれている線を臨機応変に変更してもらっています。
このダイナミックな感覚がこの仕事の醍醐味のひとつだと思っています。冷や汗をかくこともありますが…。
Iさんの家ではビッタシ思惑通りでした。最初の訪問時に元の間取りを自分で採寸し、裸になった状態を推測して設計した思惑通りになる、これはこれで快感!と同時に、ほっ…とひと安心です。
図面でわかりにくいところを大工さんと現場監督さんにお伝えしてこの日は終了です。
お疲れ様でした。